バンコクの小学校訪問記

今朝、日経のネットニュースを見ていたら、こんな記事があった。

小学校の英語必修化、伊吹文科相が慎重姿勢

小学生の子供を持つ親として、
授業への英語導入についてはかねてから注目していた。
一時は、すぐにでも「英語が必修に」という話だったのだが、
どうやら風向きが変わってきたようだ。

子供が生まれて以来、ひっきりなしに
子供向け英語教材会社から勧誘の電話がかかるようになり、
鬱陶しいと思いつつ、片っ端から断ってきた。

実は、今回のタイ出張の際、
知り合いのつてを頼み、バンコク都内の小学校を訪問してきた。
今、タイの教育制度は大きく変わりつつあり、幼児教育への関心が強まっている。

あくまでも私のイメージなのだが、
タイ人って
普段はものすごくゆったりしているのだが、
いったん

「これで行くからねっヽ(`Д´)ノ!!」

って決めると、
猪突猛進モードに切り替わる。
そうなると、変化は日本よりずっと早い。

そいうわけで、今、タイでは
「子供の教育」が猪突猛進の一つの対象となっているのだ。

で、そのタイの首都バンコクの教育現場だが、

授業を見た感じでは、重点領域はほぼ予想通りだった。

ひと言で言うと、

ITと語学、そして科学

コンピューター室は都内ほとんどの小学校に設置されているようだ。
そこで小学校1年から、早い学校では幼稚園から
コンピューターに親しむことを覚えさせ、
ワード、エクセル、パワーポイントなど主要ソフトの使い方を学ばせる。
高学年になると、課題をネットで調べ、ワードでレポートを作成し、提出。
などということを難なくこなせるようになるのだそうだ。

英語教育にも力を入れており、
英語学習ソフトでの英語教育やネイティブによる会話の授業などもある。
さらに、びっくりしたのは、
第2外国語の授業まであることだ。
実学中心のタイでは、当然なのだろうが、
将来的に仕事の上で使用頻度の高い言語が優先され、
ほとんどが中国語か日本語のようだ。
隣国との文化交流でミャンマー語やマレー語、
ということにはならないのだ。

学生の頃、初めてタイを旅行したとき、
日本人だと分かると、とおりすがりのタイ人から
「味の素!」とか「日立!」などとからかわれたものだが、
今や、カワイイ小学生たちから、
「こんにちは」とたどたどしいが丁寧な日本語で話しかけられる。

他方では、仏像を置き宗教を教える部屋や
伝統舞踊や楽器などを学ぶ授業もあり、
文化を通して、タイ人としてのアイデンティティも育てている。

うーん。スゴイ・・・(´・ω・`)ウラヤマシス

でも、一番感心したのは、科学の授業と学校農園。
小学3年生くらいの男の子が手作りのラジコン飛行機(発泡スチロール製!)を飛ばしてみせてくれたし、学校を辞すときには、記念品として、こんなものをくれた。

c0070261_11265517.jpg

     蚊よけローション(塗ると蚊よけになるらしい)

c0070261_11274280.jpg

     ハーブ入り虫さされかゆみ止め(タイガーバームみたいな感じ)

二つとも、生徒の手作りとのこと。
簡単な化学の知識があれば作れるんだって。

これって良いアイディアだと思う。
生活に密着したところから、化学を学べるし、
「自分に必要なモノを自分で作り出す」って
とても大事な発想だよね。

日本の小学校でも授業でもっと、
環境に優しい洗剤とか、石けん、とか化粧水とかを作って、
学校の記念品に使ったら良いのに・・・って思うのだけれど。
今や小学生にもコスメブーム(笑)らしいけれど、
いっそのこと、発想を逆手にとって○○小学校ブランドの化粧品シリーズ、
なっていうのがあっても良いのでは?

バンコクの小学校訪問では、感心することばかりだったけど、問題もあるらしい。
小学生の子供をもつタイ人の知り合いによると、小学校からパソコンを覚えさせる弊害として、
子供たちの手書きの文字がどんどん下手になっているらしい。
また課題にしても、ネット検索→コピー&ペースト→ワードで編集→先生へ提出、
というパターンを繰り返すことにより、「自分で本を読む→調べる→考える」という能力が衰えてきているのでは、と心配していた。
良いことだけではないらしい。

で、振り返って
日本の小学校で英語を必修化するかどうか、
という問題を考えるのだが、
「行け行けどんどん」で
それなりの成果をあげつつあるタイという事例を見ても、
やっぱりためらってしまう。

なぜなら、
タイの小学校では、
宗教教育や伝統芸能を教えるなどして、
文化を通してアイデンティティを育てる教育も同時になされているから、
それが子供たちの精神的よりどころも育てていく機会となっている。
でも、宗教はもちろんのこと、伝統文化を学ぶ機会すらほとんどない日本の小学校で、
英語教育に重点をおいたとして、結局、子供たちが「文化的根無し草」のように育ってしまう恐れはないのだろうか。

文科相は「美しい日本語を学ぶのが先」と言っておられる。
でも、「美しい日本語」というのは少々抽象的で分かりづらい。
「美しい日本語」というよりは、まず「正確な日本語」を話して欲しいと思う。
友人同士、親子、目上の人間、状況によって日本語を切り替えられる、
語彙を増やす、漢字の読み書きが出来る、きれいな字を書く。
小学校時代は論理的に物事を考える上で重要な時期でもあるから、
いろいろな言語を挟み込むより、日本語をきちんと学び、語彙を駆使して、
論理的な思考を学ぶ方が、社会人になったとき役立つと思うのだが。

確かに英語教育は重要だと思う。
でも、中学校からの英語教育内容を見直す、とか、
他にも方法はあるように思う。

それよりも、バンコクの小学校みたいに、
伝統芸能を教えたり、学校農園で作った野菜で給食作るとか、
簡単な化学製品を作ってみるとか、
とても楽しそうに思えるのだが・・・日本の小学校はやらないのかな。
[PR]
by yamato1724 | 2006-09-28 12:06 | タイ


段々いよいよ益々不定期更新になってきましたが頑張ります


by yamato1724

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

以前の記事

2010年 05月
2009年 03月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
more...

お気に入りブログ

海のまさやんの部屋
小さなベランダ菜園
あちらこちら探検し隊!
鹿児島県最南端 みさき大国
鹿児島の御茶碗屋つきの虫...
鹿児島の御茶碗屋の陶芸ビ...
通り過ぎる風
鹿児島の"まち"を考える
サラブリの風(2005-...
鹿児島県本土最南端みさき...
まさやんの家庭菜園
我が魂の島ヨロン島 Th...
Flying Bird
サラブリの風

リンク

ライフログ


魍魎の匣 スタンダード・エディション


陰陽師


陰陽師 2


財団法人日本漢字能力検定協会公式ソフト 250万人の漢検 新とことん漢字脳47000+常用漢字辞典 四字熟語辞典


チベット大虐殺の真実


東アジア・イデオロギーを超えて

カテゴリ

日常
非日常

世界
祝!ブログの節目
鹿児島について語る
ご連絡
今日の反省
趣味
地域おこし
ウンチク
パソコン様、マック様
地震だ!
台風
携帯電話
今日の怒!
タイ
日常の疑問点
ミャンマー

最新のトラックバック

X01T 発売日
from 発売日と価格
X01T 価格
from 発売日と価格
スマートフォンの現状と私..
from 人生足別離
ペット・犬の情報
from いぬっこだいすき倶楽部
変圧器適当サイト集
from 変圧器情報館
おもしろ市場
from おもしろ市場
<EPA>安倍首相とタイ..
from 思惑の断片
ミクシィおもしろコミュニ..
from mixi ( ミクシィ ) ..

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧