デリーで年越し

今頃、インド出張の話を書こうと思い立った。
なにしろ、突然降って湧いたようなインド行きである。
普通、インドに旅立つ人というのは、
それなりにインドに思いこみとか期待とかがあって、
それなりに予備知識があって、
それなりにワクワクしながらでかけるものだと思う。

でも、ワタシの場合、覚悟もないまま
急にインド行きが降ってきた、というのが現実。
今まで行ったこともないし、
特にインド料理が好きというワケでもなく、
出発前は椎名誠にインディ・ジョーンスを混ぜたような
ありきたりのイメージしか持っていなかった。
(ってどんなイメージやねん。)

で、デリーである。
驚くほど小さいデリー空港に到着。
日本を出る時から、いろいろとトラブルがあって、
デリーに着いたときは、もう深夜も深夜、周辺は深い霧に覆われている。
初日から「もうイイ・・・日本に帰りたい」という雰囲気でスタートしたインド滞在。

ゲストハウスに毛が生えたようなホテル(?)にようやくたどり着き、
睡眠数時間の後、
デリー駐在の長いOさんの案内で翌日からデリーで仕事が始まる。

旅行と出張が決定的に違うのは、
「O.K.では明日○時に、○○で」と、アポが入り、
こちらにとってそこが初めての地であっても、
指定された場所にナントカたどり着かなければならない、
ということである。

しかし、「○○マスジット」だの「××寺院」だのへ
案内することには慣れているタクシーの運転手。
いきなり、
「ジョルバグ通り○番地の○○ビル」などと言っても、
「はあ(;゜Д゜)…?! 」ということになるのだ。

デリー滞在の長いO氏とは言え、
1000万都市デリー全体を知悉しているわけではなく、
地図を片手に運転手に説明することになる。
しかし、まず100パーセントの確率で、運転手は地図の見方が分からない。
結局、少し進んでは、道行く人に場所を聞いて、を繰り返すことになる。
で、到着するまでにエライ時間がかかってしまう。
市内の渋滞がそれに拍車をかける。
というわけで、
空気の悪いデリーの街中をひたすら走り回る年末となった。

でも、運転手を責めることはできない。
「地図を読む」というのは、トレーニングを積んで始めてできること。
そもそも3次元の空間を2次元的に把握するということは、
我々だって、小学校でたたき込まれるから、なんとか理解できるだけで、
私は今でも苦手である。
日本の場合は、道路標識が至るところにあるし、道路も整備されている。
それにナビがあるから、ドライバーにとっては楽であるが、
そうでない場所で、突然、地図を見せつけられて、所番地を言われても、
運転手がとまどうのは無理もない。

というわけで、道に迷ってばかりいた我々は、
連日、のべ走行距離100キロ以上(!)走り回ることとなり、
1200万の人口抱える
デリーという都市の全体がなんとなく見えてきた。

つまるところ、
デリーには1000万都市のキャパがないのである。
せいぜいで100万都市、イヤ、ひょっとしたらそれすらないかも知れない。

私が知っている1000万規模の都市と言えば、
東京にバンコク。
バンコク自体の人口は600万程度だが、通勤圏化している周辺の県を含めると、
規模はすでに1000万都市である。
そのバンコクには、すでに80年代から首都高速があるし、
2000年には高架鉄道、数年前には地下鉄が開通。
バンコクに降りて空港から首都高に乗ると、
高層ビル群やデカイ宣伝塔が両側に拡がっている。

デリーにはそれらがないのである。
バスもタクシーも自家用車も牛も富める者も貧しい者もみな同じ道路を使うしかない。
なので、どこに行ってもひどい渋滞に遭遇する。
しかも、走っている車の様子をみる限り、
車検とか、ガソリンの無鉛化に行政が力を入れているようには思えない。
車の中にいてもマスクが必要なのだ。

今、ようやく地下鉄が一部開通し、首都高速の建設にとりかかっているみたいだけれど、
なんでここまで放置していたのだろうと不思議に思う。

都心のシンボル、高層ビルはほとんどないし、
あったとしても、一つや二つ。「高層ビル群」にはほど遠い。

O氏によると、道路やビルだけではなく、
インフラ整備がかなり遅れているらしい。
私たちが泊まったホテルは、
バスタブもなくお湯も使える量が限られ、暖房と言えば電気ストーブだけ。
ホテルとは呼べないような代物だったが、それでも料金は1日6000円くらい。
日本のビジネスホテルと変わらない。
バンコクだったら、同じ料金で、もっとずっと快適で高級なホテルに泊まれる。
でも、デリーでバンコク並みのホテルに泊まろうとすると、びっくりするほどの料金となる。
これもすべて、都市に必要なインフラが整備されていないからなのだそうだ。

デリーのドライバー達は、ひっきりなしにクラクションを鳴らす。
ちょっと異常なくらいである。
人によっては、かなり神経にさわるのではないか。
外国人の我々にして見れば、鳴らしたところで、何かが改善されるワケでもなく、
鳴らすだけムダだろう、と思ってしまうのだが、
こういうデリーの都市機能のダメダメっぷりを見てしまうと、
これって、デリーで暮らす人々の、
インフラ整備を進めない行政に対する、
精一杯の抗議なのかなとも思えてくる。

などと、思いがけなく、
デリーの都市機能について深く考える年末年始となってしまった。

でも、デリーで出会った人々は予想以上にフレンドリーで、
物腰も柔らかくて、優しい人々だった。
・・・・・機関銃のような英語をのぞけば・・・。

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by yamato1724 | 2007-01-18 13:33 |


段々いよいよ益々不定期更新になってきましたが頑張ります


by yamato1724

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