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携帯電話にまつわる話

以前にも書いたことがあるのだが、私は携帯電話が苦手である。
「嫌い」なのではない「苦手」なのだ。
緊急の連絡にメールの転送、今や携帯は仕事に欠かせない。だから、機種交換などは結構マメにするほうだ。「○○機能搭載!」みたいな広告はけっこう関心があるし、知り合いが新しい携帯を買うと、そのデザインや機能が気になったりする。カバンに入れておくくらいは苦にならない。

では、何が苦手なのか、というと、


電話がかかってくるのがイヤなのだ(笑)。
特に苦手なのは、知らない番号からの「着信アリ」だ。

私の携帯は、いつもほとんどマナーモードになっている。
職場や仕事関係の人は私の電話嫌いを知っているので、メールをくれるか、
そうでなければ留守電を入れてくれる。
仕事やプライベートで少しでもかすりそうな人は、すべてアドレス登録するように
している。だから、電話嫌いの私でも携帯を持つのはさほど苦にならなかった。

ところが、7月頃から、知らない番号の電話が頻繁にかかるようになってきた。
なぜ7月なのか。これには訳がある。

私は携帯を2台持っていて、1台は通常使用するもの、そしてもう1台は
海外専用機であった。海外出張用に購入したもので、年に1~2回の出張時に
毎回現地で借りるのが面倒くさくなり、3年ほど前から使い始めた。
使用しない月は数百円の手数料で番号をそのままおいておける。
安いが、日本国内では「圏外」となって使用できない。
海外に持ち出して初めて使用可能になる。

ところが、だんだん2台を使い分けるのが面倒くさくなってきた。
そのうち国内・海外両方で使用可能な高機能ローミング機が出現し、
電話代もリーズナブルなものになってきたので、この夏に思い切って、
携帯を1台にまとめてしまった。つまり海外専用機を機種交換し、
国内・海外両方使用可能な機種に変更したのである。

そして、その瞬間から、不思議な電話がかかりはじめたのである...。
気づくと、携帯には同じ番号からの着信履歴が並んでいる。
その番号にはまったく見覚えがない。
海外出張中にたまたま電話を開いているときにかかってきたので、
一度出たことがある。無音であった。

帰国しても、その番号からは何度も着信がある。
ある日、また電話を開いているときにかかってきたので、思い切って出てみた。

「もしもし...」

・・・無音である。そのまま切った。
はっきり言って不気味である。

その後も、その番号からの着信は、なんどもなんども繰り返される。
2週間ほど前、また同じ番号からかかってきた。また出てみる。
「もしもし...」 ・・・応答なし・・・ちょっとキレる私。
「もしもし!! なんでしょうか。もしもし!!??」

「あの・・・。」 ・・・初めて相手の声を聞いた。
声の感じからして、かなり高齢の男性だ。
どうせ、アホな勧誘か、バカタレ青年の間違い電話だとばかり思っていた私は、
(なにせ両方とも過去に経験があるもので)想像だにしなかった展開に少し動揺する。
でもその後、そのご老人から発せられた質問に私はさらに困惑してしまった。

相手「あなた、この電話番号いつから使ってます?」
私「え?・・・もう何年にもなりますが・・・」
相手「ええ? そんなハズはないでしょう。だって私はいつもこの番号にかけていたのだから。」
私「いえ、もう3年ほどこの番号です。」
相手「090-××××-○○○○ですよね?」
私「はい、そうですけど」。
相手「えっ・・・・ほんとうにそうなんですか。私の知っているのもこの番号なんだが・・・。」

「そうです」としか言いようがない。

だって、この番号は間違いなく3年前から私の番号なのだ。

しかも、



日本国内では使えない番号



だったのだ。


日本国内にいて使えるようになったのは、この7月からなのだから、
この番号は、この3年間ほどは日本では「幻の番号」となっていたことになる。
誰かの番号と間違えられることはあり得ないし、そもそも使えないのだ。

番号の記憶違い、でなければ、考えられる理由はたった一つ。
そのご老人が最後にこの番号の持ち主と通話したのは、
3年以上前(私がこの携帯を購入する以前)だということになる。

でも、そこまで詳しく話を突き詰めることもなく、
ご老人は、何度も番号を確認し、ため息をつきながら、電話を切った。
誰か大切な人を探している様子だった。

少々気の毒な感じがしたが、もうかかってくることはないだろう、と正直ほっとした。

あれから、2週間。


携帯を見ると、2~3日おきに、まだ同じ番号から着信がある。
あの老人は、まだあきらめきれないのだろうか。それとも・・・。
悪いが、もう電話に出る気はない。

携帯にまつわる話。もう一つ。

今日、仕事帰りに在来線の特急に飛び乗った。指定席はガラガラ。
乗客の少ない車内は静まりかえっている。私は、最近ハマっている京極夏彦の小説に読みふける。何分かして後ろの方から、パタン、パタン、という音が聞こえてくることに気づいた。
座席の隙間から後ろを見ると、一人で座っている女性客が、折りたたみ式の携帯を
開いたり閉じたりしている音だということがわかった。
それだけのことなのだが、ちょっとだけ変わっていたのは、
その開閉頻度が普通よりかなり多めということである。
列車に乗っていた時間は40分ほど。
その間に、彼女は、頻繁に携帯をあけたり閉じたりする。最初は数分おき。
気になりつつも、何か急ぎのメールを待っているのかな、と思うようにする。
しかし終点が近づくにつれて、その音と頻度は度を超してくる。
数秒の間隔で、開く、閉じる、開く、閉じるを繰り返し始める。
これはあきらかに常軌を逸している。

・・・な、なんなんだ(泣)

それでなくとも、京極夏彦読んでいるから、人一倍恐がりになっている私。
イヤ、読んでなくても、これは十分コワイ・・・!

というわけで、

ハイパーアクティブに止まらない電話開閉作業は終点まで続いたのだった。
それだけでも、私は十分怖かったのだが・・・でも、一番驚いたのは、
降車間際に見たその人の姿だった。

その人、



地味な紺色のスーツ着た30〜40代のごく普通のOL風だったのだ。
こういう一見、普通の人が、普通でないことをしているのを見るのが、一番怖かったりする。

携帯って便利だけど・・・人間を変えてしまうこともあるのかな。
by yamato1724 | 2005-09-28 23:20 | 日常


段々いよいよ益々不定期更新になってきましたが頑張ります


by yamato1724

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